Philosophy

Everything flows

万物流転 

方丈記


 

もし地球の裏側から来た外国人に

 

What is Japan?

 

と訊かれたらなんと答えますか

 

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日本の芸術や思想表現には、身体表現も含めて

伝統的に「時の流れというものを大切にしてきました

 

これこそが日本における文化的表現の

最大の特徴ではないかと思います

 

それをこの国では一期一会」や「」そして「ながれ」と言ったりしてきました

 
これからご紹介するCMには

私の伝えていきたい日本文化の魅力が潤沢に表現されています

 

資生堂 CM「新しい自分になって」篇 (2006)


 

短歌や俳句に代表されるように

 

芸術表現においてこの国では

 

伝統的に透明感があって水のように無味無臭なものをどう洗練させていくか、

 

ということを大切にしてきました

 

 

 

 

そしてなんの特徴もないような日常を重点の置き方を変えて表現することを好みます


そのようにみていくと、この作品にはその繊細さが散りばめられています

 

 

 

 

まずこのCMは失恋を謳ったものです


完成したり完璧なものよりは、欠けたり失ったりすることに対して美しさを感じる

 

そこから

こんな表現が出てくるのではないかと感じます

 

 

 

 

そして恋が終わったあとの女性の気持ちに焦点を当てています


だから実際に相手への失恋シーンそのものは描かれていません

 

このように物語の始まりや終わりをサッと出して経過に対しては空白や間をもうけて語らない

 

地味ですが上品ですよね

 

 

 

 

それは失恋した後の女性の心情とか寂しさ

 

言葉にならない何か、

 

余韻というものを伝えようとしています

 

 

 

 

この女性の表情が、時間の経過とともにどんどん変わっていくのがみてとれます

 

そしてこの女性の表情の変化こそが本当の主題になっています

 

 

 ものごとは途切れるのではなく

過去からの流れの中で現在があり、

そして未来へと続いてゆく

 


不変というものはないということ

 

 

 

 

 

 それは人間の心そのものだと思うんですが

 

水のように移ろい流れていく「心」というものをこの作品では伝えようとしています

 

また一瞬の儚い美しさをどう伝えればいいか、ということにも意識を向けています

 

この女性の表情は四季のように移り変わっていきますね

 

 

 

 純粋に美しいものよりも、その美しさの奥に傷が入り混じっていることに私は心を打たれます

 

終盤にみせる彼女の笑顔の美しさは傷ついたあとのものです



美しいものとは儚くて余情の残るもの


そして風は散らすが水は過去から現在、

さらに未来へとつながっていく

 

日本という国は風ではなく、水の世界ではないかと感じます

 

 

失われるからこそ

一瞬というものが永遠になる

と思うんですが、

 

ここに描かれている

繊細な女性の日常の一瞬は 

日本人の感性を現しているように感じませんか

 

 

 

 

 Shuken Sato

A Member of Aikido Ryu
June, 2021